アポスティーユとは

  「アポスティーユ」とは、日本国外務省が文書が確かに日本の役所が発行した公文書だと証明を与えるものをいいます。アポスティーユは18cm四方の紙が証明を受ける書類に添付されるので、日本語では「付箋による証明」と呼ばれています。

では、このようなアポスティーユは、なぜ必要なのでしょうか?

法人登記簿謄本や住民票等の日本の公文書は、必ずしも日本でだけ必要というわけではありません。

私たちは、海外でのビザ申請や法人設立、結婚手続き等の場合に、日本の公文書(登記事項証明書、戸籍謄本、住民票の写し、婚姻要件具備証明書等)を外国の機関に提出する必要があります。

その場合、 外国の機関としては、海外で発行された公文書については、自分の国で発行されたものでない以上、その公文書が本物かどうか、確認ができません。

しかしながら、本物かどうか確認できないからといって受理しないわけにもいきません。

そこで、その確認のための国際的なルールとして、一定の条件の下海外で発行された公文書を受け入れるルールが定められています。

そして、外国の機関が戸籍謄本等の日本の公文書を受け入れる条件としては、

①当該国の外務省の公印確認を受けた後

さらに

②駐日外国大使館(領事館)における駐日領事による認証

が必要なのが原則です。

しかし、外務省の公印確認を受けた後にさらに大使館(領事館)まで出向かなければいけないのでは非常に面倒です。

そこで、一定の国については、ハーグ条約という認証不要条約を締結し、ハーグ条約加盟国に限っては駐日領事の認証を不要として外務省のアポスティーユのみで外国機関に文書を提出することができることとしたのです。

ただし、窓口によってはハーグ条約締結国であっても駐日領事の認証を要求する場合もありますので、外務省のアポスティーユ認証で足りるかどうかは提出先の窓口によく確認することが必要です。

 

アポスティーユが通用するハーグ条約締結国一覧

アイスランド アイルランド アゼルバイジャン アメリカ合衆国 アルゼンチン アルバニア アルメニア アンティグア・バーブーダ アンドラ イギリス(英国) イスラエル イタリア インド ウクライナ エクアドル エストニア エルサルバドル オーストラリア オーストリア オランダ カザフスタン カナダ キプロス ギリシャ グルジア グレナダ クロアチア コロンビア サモア サンマリノ サントメ・プリンシペ スイス スウェーデン スペイン スリナム スロバキア スロベニア スワジランド セーシェル セネガル セルビア セントクリストファー・ネーヴィス セントビンセント セントルシア 大韓民国 チェコ 中華人民共和国(中国)デンマーク ドイツ ドミニカ国 トリニダード・トバゴ トルコ トンガ ナミビア 日本 ニュージーランド ノルウェー パキスタン パナマ バヌアツ バハマ バルバドス ハンガリー フィジー フィンランド フィリピン フランス ブルガリア ブルネイ ベネズエラ ベラルーシ ベリーズ ベルギー ボスニア・ヘルツェゴビナ ボツワナ ポルトガル ポーランド 香港特別行政区 ホンジュラス マーシャル諸島 マカオ特別行政区 マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 マラウイ マルタ 南アフリカ共和国 メキシコ モーリシャス モナコ モルドバ モンテネグロ ラトビア リトアニア リヒテンシュタイン リベリア ルクセンブルク ルーマニア ルワンダ レソト ロシア

その他

  • 【イギリス(英国)】
    ジャージー島、ガーンジー島、マン島、ケイマン諸島、バーミューダ諸島、フォークランド諸島、ジブラルタル、モンセラット、セントヘレナ島、アンギラ、タークス・カイコス諸島、英領バージン諸島
  • 【フランス】
    グアドループ島、仏領ギアナ、マルチニーク島、レユニオン、ニューカレドニア、ワリス・フテュナ諸島、サンピエール島、ミクロン島、仏領ポリネシア
  • 【ポルトガル】 全海外領土
  • 【オランダ】 蘭領アンチル、アルバ
  • 【ニュージーランド】 クック諸島、ニウエ

 

アポスティーユ申請の際の注意点

アプスティーユ申請の際、以下のような注意点があります。

 

①ハーグ条約締結国に提出するからといって必ずしもアポスティーユの申請で足りるとは限らない

上記のようなハーグ条約締結国であれば、一般に領事認証は不要ですが、いつも領事認証が不要になるかというと、そうでもないところが難しいところです。

例えば韓国の銀行に相続手続きのため、アポスティーユを取得した戸籍謄本を提出しても、韓国の銀行の担当者がアポスティーユではなく、領事認証を経た書類を提出せよ、と言われたらその通りにやらないと手続きは進まないでしょう。

ですから、ハーグ条約締結国だからアポスティーユ取得で大丈夫、と安易に考えるのでなく、提出先にどのような認証が必要か、事前によく確認することが必要です。

②外務省のアポスティーユを取得した書類に公印確認を受けることはできない

例えば、登記簿謄本にアポスティーユをつけてしまい、やはり公印確認が必要、ということになると、その登記簿自身に二重に外務省認証はつけられません。

したがって、登記簿を再取得して戸籍謄本に公印確認手続きをやり直す必要がありますので、ご注意ください。

また、上記のような登記簿謄本であれば再発行は容易ですが、もしこれが再発行が難しい文書の場合、大変なことになりますので、手続きは慎重に行ってください。

 

③アポスティーユや公印確認を受けた公的書類については、公証役場のワンストップサービスで外務省のアポスティーユ、公印確認を付けられない

外務省からの通達(?)により、現在では、翻訳公証等を行う際に、アポスティーユや公印確認を受けた公的書類については、一緒に綴じこむことはできなくなりました。

ですので、翻訳公証等を行う場合には、先に公的書類に外務省の認証を受けないようにすることが必要となります。

理由を外務省に確認したところでは、「外務省が2重に認証することになるから」ということでした。

しかし、そもそも厳密にいえば、公証役場で公証したのは「公証人の面前で署名した」ことのみです。

一緒に綴じこんでいる公的書類は「添付資料」であって、そのものに公証はありません。

ですから、個人的には「二重に認証」したことにはならないと思います。

このあたり、外務省の解釈には疑問を感じており、外務省に個人的な意見としてこの点申し述べましたが、当然(?)理解はされませんでした。

当事務所では、実務上たまにですが、海外からアポスティーユを受けた原本を綴じこむよう指示があることがあり、このようなケースでは対応に苦慮することになります。

今後は海外からアポスティーユを受けた原本を綴じこむよう指示がないことを願うばかりですが、外務省の解釈としては翻訳公証等をワンストップサービスで外務省認証まで行う際に、アポスティーユや公印確認を受けた公的書類については、一緒に綴じこむことはできませんので、ご注意ください。

 

 

アポスティーユ取得が可能な文書リスト

 

アポスティーユ取得が可能な文書リスト例は以下の通りです。

下記文書の中には、そのままではアポスティーユを取得するのは無理なものもありますが、多くの場合は、翻訳認証の形をとるなどの方法で、事実上アポスティーユを取得したのと同様の効果を付与することが可能になります。

 

・出生証明書、死亡証明書、死亡診断書、結婚証明書(離婚証明書)、婚姻要件具備証明書、印鑑証明書、署名証明書

・委任状(General, Special, Finance, Real Estate etc.)

・経歴証明書、履歴書

・退職証明書(Retirement Certificate)

・成績証明書(School, College, University, or any other issuing agency)、卒業証明書(Graduation Certificate)、卒業証書(Degree Certificate)、在学証明書(Enrollment)

・無犯罪証明書(Police Clearance Certificates)、犯罪経歴証明書、警察証明書

・課税証明書、納税証明書(TAX Certificate)、収入証明書、所得証明書

・医師の診断書、医薬品許可確認書

・家庭裁判所の判決文、簡易裁判所の判決文

・定款、商業登記簿謄本、監査報告書、代理店確認書、宣誓供述書、取締役会議事録、登記事項証明書、株主名簿

・不動産売買契約書、宅地建物取引主任者証、土地建物評価レポート、代表者任命書、代表事項証明書、信託宣言書等

・戸籍謄本、除籍謄本、住民票、外国人登録原票記載事項証明書、独身証明書、婚姻届受理証明書、離婚届受理証明書、死亡届受理証明書、火葬許可書

・契約書、相続関係図、登記されていないことの証明書(成年被後見人、保佐人)

・パスポート、在留カード

・卒業証明書、・在学証明書、成績証明書、学位記、在職証明書

・インボイス、船荷証券(B/L)、個人所得税確定申告書、法人税確定申告書、住民税額決定通知書、源泉徴収票、法人財務諸表

・銀行口座取引明細、電気料金請求書、水道料金請求書

・医師免許証、歯科医師免許証、薬剤師免許証、公認会計士免許証、健康保険被保険者証、居住証明書、運転免許証

 

※これ以外にもアポスティーユ取得が可能な文書は沢山ございますので、お気軽にお問いあわせください。

 

アポスティーユ申請・取得が必要なケースの具体例

①フランス人との結婚(婚姻)のため日本の戸籍謄本にアポスティーユを取得

②インドのビザ取得のために住民票、戸籍謄本にアポスティーユを取得

③アメリカの裁判所に日本の離婚判決を承認してもらうため家庭裁判所の判決文のアポスティーユを取得

④イギリスの海外銀行口座相続手続きのための戸籍謄本のアポスティーユ申請

⑤韓国留学のための在学証明書のアポスティーユ認証

⑥メキシコ現地法人設立のための定款翻訳認証およびアポスティーユ申請

⑦韓国現地法人設立のための商業登記簿謄本のアポスティーユ取得

⑧香港の子会社設立のための定款のアポスティーユ申請

⑨アメリカ人との結婚のための住民票のアポスティーユ認証

⑩イギリス留学のための卒業証明書のアポスティーユ申請

⑪エクアドル移住のための戸籍謄本のアポスティーユ取得

⑫イタリア留学のための卒業証明書、在職証明書のアポスティーユ取得

 

アポスティーユ申請、取得代行費用(※標準費用、税別)

①アポスティーユ申請、取得代行サービス費用:8000円

②文書の法務翻訳・認証:分量により個別見積もり(英語、中国語、韓国語、スペイン語等)
アポスティーユ認証に関するお問い合わせは下記よりお願いいたします。

なお、大変申し訳ござませんが、翻訳認証を含めたアポスティーユのお見積もりは分量等により異なります(例えば、1ページの証明書と20ページの証明書は大幅に料金が異なります)ので、「翻訳認証費用がいくらになるのか」や「納期がいつになるのか」は電話では回答できません

また、原文のデータの添付がない場合はメールでの回答もできませんし、「大体いくらになるのか」といった概算見積りの回答もできません。

 

翻訳の納期、費用等のお見積もりが必要な方は、必ず下記「お見積もりのオレンジ色のボタン」よりメールにてデータの送付お願いいたします。

 

(翻訳認証の費用のお見積もりは下記お見積りのボタンをクリックしてください)
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